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氷竜の創作部屋

創作(一次・二次混同)の中でも特に小説を掲載

シアとアルカトラスと飲もう

ある日、ゴルダはシアからアルカトラスも交えて一杯やらないかと言われて塔の方へ来ていた。
当然、アルガントも一緒だったのだが酒の席に同席させるわけにはいかないとサフィが面倒を見てくれている。
梅雨の時期だというのに、からっと晴れて月も出ている夜空の下、ゴルダはアルカトラスとシアを目の前にして座っていた。
酒の量は、アルカトラスが底無しでシアは樽3つで吐くので樽3つよりも少ない量が用意された。
それでも万年桜のさくらんぼ酒が樽1つ置かれていたが。
その他には、ウォッカやウイスキーなどの小瓶がゴルダ用に数本、白と赤のワインがそれぞれ3本程度などなど、樽2つ分はある量が用意されている。
ちなみに、これ以上酒が出ることはない。
なぜならこの量も、サフィがきちっと管理して出した量だからだ。

「随分とまた、少ない量だ」

「あったらあったで、全部飲んじゃうでしょうに」

少ないとぼそりと呟いたアルカトラスに、シアはあったら全部飲むでしょと返す。
アルカトラスはそれが図星だったのか、何も言わずにさくらんぼ酒の樽を引き寄せた。
一方のゴルダは、ウォッカの小瓶を開けて口をつけようとしている。

「まあ、とりあえず飲むとしよう」

ゴルダが飲もうとしていたのを見て、アルカトラスはとりあえず飲もうと樽を開ける。
シアの方は大分小さくなって白ワインの瓶を取ってコルクを抜く。
こうして、乾杯も何もせずに3人は各々で飲み始める。

「そう言えば」

飲み始めて数分が計画した頃、突然シアが口を開く。
それにゴルダは何だとウォッカの小瓶を地面へ置いてシアの方を見る。
だがシアはゴルダの反応を見るや

「いいえ、何でもないわ」

と言いかけたことを引っ込めてしまう。
ゴルダはそれになんだよと言うと、ウォッカの小瓶を空にする。
一方、アルカトラスは無言で飲み続けていた。

「爺さんは何かないか?」

そこへ、ゴルダは話題はないかとアルカトラスに振る。
アルカトラスは話題を振られて酒を飲むのを一旦止めて

「少しだけ我が知っているアルガント及び闇竜に関しての事を話そう」

アルガント及び闇竜について自分が知りうる事を話すと言った。
そしてアルカトラスが話したアルガント及び闇竜に関する事は以下のようなものである。
アルガントこと泣竜ははかつてこの世界に存在した闇竜の国の珍しい闇竜の一族の一つに入る。
しかし、その闇竜の国はいつの間にか国そのものが煙のように消えてしまった。
その際にこの世界に居た闇竜の大部分もこの世界から消え、今では少数族となっているという。
ちなみに、アルカトラスですらも闇竜の国及び闇竜に関してそこまで知識は無く。賢者の竜の里に文献が残っていればいい方らしい。

「というように、我でも知らぬことはある」

そう話し終えたアルカトラスは、また酒を飲むの戻る。
そしてアルカトラスが話している間に酒が回って来たのか、シアはいつの間にかゴルダを引き寄せてもふっていた。

「ぬぅ」

ウィスキーを片手に、ゴルダはなんとも言えない顔をする。
こうなると、シアを無理矢理にでも引き離すことは不可能なのでさせたいようにさせるしかない。
酒が入っているせいなのかどうかは分からないが、いつもに増してシアから発せられる匂いが強いことにゴルダは気付く。

「かなり甘い匂いがする」

「ふふふ、でしょー?」

どうやら何時もに増して匂いが強いのは、シアがわざと出しているからのようだ。
しかも、わりかし落ち着くから驚きである。

「ふう」

「このまま今日は離さないわよ」

この後、アルカトラスは飲むだけ飲んでゴルダを撫でて城へ戻り、シアにゴルダを離せとも言わなかった。
そのため、ゴルダは翌朝までシアに抱れたままだったという。
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小説(一次) |

初めての散歩は裏山

聖リフィルにも梅雨の兆しが現れ始めたある日。
何もすることがなく、アルガティアの書斎の一角でラトレナスはぼーっとしていた。
特にアルガティアからは仕事の手伝いを頼まれておらず、ただ暇を持て余すだけの時間。

「暇ー」

とラトレナスが言ったところ、イファルシアはそうとだけ返し、フィルスは

「魔法書読んでたら?」

と言って、アルガティアに至っては仕事に集中していて何も言わない。
時雨はオセロか何かでもしようか?と聞いて来たがラトレナスは

「にゅぅぅ」

不満そうに唸る。
それに時雨は、お気に召さないなら致し方なしとそれ以上何も言わなかった。
その後、ラトレナスは書斎を飛び出す。
外は雨が降っており、とても庭園へ出れる状況ではない。

「ふにゅう」

そんなラトレナスの前に、とても大きな里芋の葉の傘を差したエゼラルドがやって来て

「どうしたんだい?」

と穏やかな表情で聞く。
ラトレナスはそれに、暇なのと言うとエゼラルドはそうなんだと頷いて

「雨降りだけど、僕の背に乗って散歩するかい?」

散歩でもするかとラトレナスに聞く。
ラトレナスはそれに

「にゃ」

と頷き返してエゼラルドの背に乗った。
エゼラルドは器用に里芋の葉をラトレナスと自分の頭が隠れるように浮遊させ、そのままのんびり歩き出す。
歩くたびに、べちょべちょとぬかるんだ地面を踏みしめる音がするが、ラトレナスもエゼラルドも一切気に留めずに散歩を続ける。

「雨降り嫌い」

時折里芋の葉から垂れる水滴見ながら呟いたラトレナスの一言に、エゼラルドは

「僕は限度はあるけど好きだな、雨が降らないと植物も育たないし」

と限度はあるけど自分は好きだと返す。
ラトレナスはそれにそーなのと返し、エゼラルドの背の毛の中へ埋れた。

やがてエゼラルドは城の敷地を出て裏山の方へと歩みを進める。
ラトレナスはここに出現してから、一歩も城から出たことはなかった。
アルガティアは出てもいいと言っていたが、帰り道が分からなくなると困るので出なかったのだ。

「外出るのはここに来てからは初めてだよね?」

裏山への道中、雨が小雨になった辺りでエゼラルドはラトレナスにそう聞く。
しかしラトレナスは何も答えない。
エゼラルドは答えたくないならそれはそれでと言って、追求はしなかった。

その5分後。
雨が上がってどんよりした曇り空の下、エゼラルドはそのまま裏山の中へ。
しかし、エゼラルドはさほど中まで入るつもりはないようで、少しだけ山の中を歩いた後で来た道を引き返す。
一方、ラトレナスの方はエゼラルドの背の毛の中に埋れたままで動かない。
どうやら埋れている間に寝てしまったようだ。
なので、エゼラルドはそのまま寝床まで戻り、ラトレナスが起きるまで待っていたとか。

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