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氷竜の創作部屋

創作(一次・二次混同)の中でも特に小説を掲載

王立諜報機関へようこそ

それは、サフィからメールではなくアルカトラス直々の手紙が始まりであった。
その手紙には

「汝にとても重要な話がある、すぐにセイグリッドへ来るように」

と書かれていて、一番下にアルカトラスのサインと前足の印が押されていた。
ゴルダは一体何なんだとは思いつつも、アルガントを連れてセイグリッドへ。

「アルカトラスなら書斎」

セイグリッドへ行くといつものようにサフィが出迎えたが、今日はなぜかいつまで待たせる気よという雰囲気を醸し出している。
ゴルダはアルガントをシアの所へ連れていくようサフィに頼み、自分は先に書斎へ。
書斎の前では警備兵が立っていたが、ゴルダを見ると中へ通した。
中へ入ると、アルカトラスはゴルダに

「閉めよ」

と言って扉を閉めさせ、自分の前へ座らせた。
その数分後にサフィとなぜかバハムードにアルガティアまでやって来て出されていた椅子に座る。
ここまで何が何だかさっぱり分からないゴルダはアルカトラスに

「爺さん、一体何がしたい?」

と痺れを切らして聞く。
するとアルカトラスは、4人に向かってこう言う。

「ここ最近、新たな世界と繋がる頻度が上昇しているというのは存知ているだろう。我はそれ問題視している」

それにアルガティアだけが頷き、ゴルダとバハムードとサフィはぽかんとする。
しかし、3人ともよくよく考えればそう言うことかと遅れて頷いた。

「何故問題視しているか?そう、繋がる世界によっては侵略しようと企てているなどろくな世界があることも無いとは言い切れぬ」

繋がる世界が増えるほど、被侵略のリスクは高まるというのを言われ、4人はなるほどと同時に頷く。
そしてアルカトラスは、1つの資料を出すと

「そこで我は、王立諜報機関。正式には大陸諜報機関を設立した。しかしこれは事前に危うい世界をシャットアウトすることが目的であり、こちらが侵略するために使うものではない」

王立諜報機関もとい大陸諜報機関を設立したと言い放つ。
ここまで来れば察しがつくだろうが、4人が呼ばれた理由、それは

「汝ら、4人が中心メンバーとなり。この諜報機関を動かしていくのだ」

諜報機関のメンバーに抜擢されたからであった。

「では、仕事がある時は呼ぶ。頼んだそ」

そう言ってアルカトラスは解散させたのだが、ゴルダだけは残ってアルカトラスを見据えている。
何を自ら聞くわけでもなく、ただアルカトラスが話しかけて来るのを待っていた。
そして、ようやく

「自分から聞いてこぬか、何を聞きたいのだ?」

とアルカトラスが聞いてきたのでゴルダはこう聞く。

「繋がる世界が増えたところでさほど気にしなかったのに、今さら気にするのが気にかかる。どうしたんだ爺さん?」

今さら気にするのが気にかかるのでどうしたのかと聞かれ、アルカトラスは尻尾をパタパタさせながら

「つい最近、新たに繋がった国の者が書簡送って来た上にこっちへ来てな。それでだ」

と返す。
ゴルダはそれに追求せず、分かったと言ってそそくさと帰って行った。
そしてゴルダが帰った後。
アルカトラスはややため息混じりにとある書類を出して

「全ての世界がこのように上手くいくとは限らぬのだ」

と1人呟いた。

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小説(一次) |

向日葵を植えよう

春が終わり、初夏の天気がちらほらと見えるようになってきたリフィル城の庭園。
その庭園の空っぽの花壇の前で、イファルシアとエゼラルドが何かの種袋を引っ張り出してきてどう植えようかと話していた。
その頭上では、時雨がその種袋の中身の種をよだれを垂らしながら見ている。
ちなみに、この種袋の中身は何かというと向日葵の種だ。
イファルシアが来る前から、エゼラルドは庭園に四季折々の花を植えたりするのを楽しみとしていた。

そして今日は、イファルシアと夏の花を植える日。
今までは、自分では痒い所に手が届かないところをイレーヌに手伝ってもらったりしていたエゼラルド。
しかし、イファルシアという自分と同じ属性かつ知識に技術を持つ者が来てからというもの、エゼラルドのこういった作業はとても楽になった。
無論、イレーヌを除け者にしたわけではない。
イファルシアが居ても手が足りないこともある上に、何よりイファルシアもイレーヌとこういった事をするのが好きだったりする。

「一面向日葵にしたら逆に見映えが悪そうねえ」

「昔はみっちり植えてたけど、どうということはなかったよ」

蔦で蝿を追い払うように時雨を追い払いながら、イファルシアはエゼラルドと話を続ける。
今話しているのは、この空いている花壇にみっちり植えるのか否かというもの。
イファルシアはみっちり植えると見映えが悪そうと言い、エゼラルドはそうでもないと言っている。

「とりあえず、みっちり植えてみましょ」

「そうだね」

と言って、2人は向日葵の種を植えるために花壇を耕して一応肥料を入れ始めたのだが、時雨が隙を伺って種を食べようとしているので気が気ではなかった。
だがしかし、そこへ畑仕事の服装のイレーヌがやって来て

「だーめ」

時雨が種を食べないように見張り始めてしまった。
イレーヌに種を見張られ、時雨はちぇっという顔でアルガティアの所へ戻って行った。

「こんなものかしらね」

開始から約1時間。
一通り耕して肥料も入れ終わり、ようやく種蒔きを開始。
時雨は居ないので、さっさと終わらせようとイレーヌも加わって3人で種蒔きをする。

「でも、向日葵の種っていいスナック菓子にでもなるのよね」

そんなイファルシアの一言に、エゼラルドは

「ダメだよ」

ときっぱりと言って聞かせる。
イファルシアはそれに分かってるわよと返して種蒔きを続けた。
花壇はそれほど広くなかったので、2時間くらいで種蒔きは終了。

「ちゃんと育つといいわね」

と言ったイレーヌにエゼラルドとイファルシアは

「そうだね」

「育つでしょ」

とそれぞれ返す。
しかしそこへ、蒔いて早々に種を狙う鳥が飛んできたのだ。
それを見て、エゼラルドは鳥達に

「ここの種はダメだよ、代わりにこれあげるから」

と言って別の種を生成して食べさせる。
鳥達は、エゼラルドの言っている事を理解したのか生成したその種をつつき始めた。
それを見てイファルシアは

「あいつもやり手ねえ」

と呟く。
一方イレーヌは、空になった種袋を片付けてそれを静観。
特に何も言わなかった。

そして最後に、イレーヌが

「向日葵」

と書かれた看板を立てて種蒔きはこれで完全に終了。
その様子を影で見ていた時雨は、植えた種をほじくり返そうとしたが

「あん、何してんのよ?」

イファルシアに見つかって失敗して諦めたという。

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