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氷竜の創作部屋

創作(一次・二次混同)の中でも特に小説を掲載

満月の食後には月光花を添えて

アルガントがやって来て、早1ヶ月が過ぎただろうか。
久しぶりの満月の夜空の下、ゴルダは珍しく庭でバーベキューをしていた。
バーベキューとはいえ、ただ気分的に庭で炭火を使って焼いた肉が食べたいだけという理由なのでそこまで凝った準備はしていない。
そして、満月ということもあってかアルガントにある変化が見られた。
普通、アルガントの目は両方黄色くて瞳孔がそれなりに大きい。
だが、満月の夜の今日はいつも以上に瞳孔が開き、目の色もやや赤みを帯びている。
それが気になったゴルダは、アルガントにいつもより瞳孔が開いているが大丈夫かと聞いたところ、アルガントからは

「見えにくくなったなんてことはないよ」

という返事が返ってきた。
ゴルダはそれにあまり納得できないような顔をしたが、それ以上の追求はしなかった。

「ほら、先食え」

「わーい」

先にアルガントに食べさせ、自分の分は焼かずに燃える炭を見つめるゴルダ。
やがてその目は、肉をがっつくアルガントに向く。
アルガントは、嬉しそうだがどこか満足し切れない表情をしていたが何が足りないとは言って来ないのでゴルダはどうしようもない。
やがてゴルダも自分の肉を焼き、炙ってほったらかしていたチーズをつまみに酒を飲む。

「うーん」

ゴルダが一口酒を飲み、グラスを置いた瞬間にアルガントがそんな一言を漏らす。
今聞こえるのは、炭が焼ける音と風の音くらいだ。
そんなほぼ無音状態の中、ゴルダはアルガントにどうしたのかと聞く。
するとアルガントは

「月光花が欲しい」

とゴルダに言う。
月光花とは、年中季節を問わず満月の日だけに咲く花。
闇属性を持つものには個人差はあれど、とても重要なものらしく。満月の夜の食後にはそれを食べるか酒に入れて飲んだりするのだ。

「この辺りには無いが?」

ゴルダがこの辺りには無いと言うとアルガントは

「どこかから取って来てよぅ…」

と雲行きが怪しくなってきたので、ゴルダは分かったと言って呼び出し符というもの出すとそれを使った。
ポンという音と共に現れたのは、イファルシアで特に何をしていたわけでもない様子。

「悪いな、月光花を1つでいいから出してくれ」

イファルシアは何よという顔で1つ出し、ゴルダに渡すと座標指定テレポートですぐに帰った。
そして、その月光花をアルガントに渡すとアルガントはウサギが草を食べるよりも早く食べ終えてげふっと言う。
その様子を見て安心したゴルダは、酒片手に肉を焼いては食っていた。

「なんでお前は満月の日は月光花が必要なんだ?」

ふとした疑問をアルガントにぶつけるゴルダ。
それに対してアルガントは、首を横に振って

「分からない、けど必要。そんな感じ」

となんともパッとしない返事を返す。
その返事にゴルダはそうかとだけ言って残っていた肉を全て焼いてしまう。
アルガントはすでにごちそうさまをしていたので、ゴルダが肉を食らう様子を見ているだけ。

「酒っておいしい?」

今度はアルガントに質問され、ゴルダは人によると返す。
一応飲ませても問題はないのだが、何が起こるか分からないのでゴルダは飲ませないことにしている。
最も、ゴルダの酒がおいしいかどうかは人によるという答えを聞いてアルガントは飲まないつもりで居るようだが。
満月の夜は、炭が焼ける音と共に過ぎていく。
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テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

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