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氷竜の創作部屋

創作(一次・二次混同)の中でも特に小説を掲載

アルガントとシアと

アルガントがやって来て1週間ほどが過ぎた。
どうにかこうにかしてアルガントをほったらかしても泣かないよう奮闘していたゴルダ。
そんな中、アルガティアから誕生日にもらったシアのぬいぐるみを渡したところアルガントはそれ以来ほったらかしても泣くことはなくなった。
だがそれでも、またいつ泣き出すか分からないので完全にほったらかしにするわけにはいかなかった。

「おいしい」

「そうか、俺の口に合わせてしか作ってなかったからどうかと思ったが」

今日もいつものように朝食を取る2人。
自分の口に合わせた味付けしかしてなかったので、アルガントが口に合わないと言わないか気にかけていたゴルダだが、意外にもアルガントは大丈夫な様子。
ちなみに今日の朝食は、米粉食パンのトーストとスクランブルエッグとベーコン、それにーアルガントは野菜ジュース、ゴルダは緑茶というメニューだ。
ほったらかしておくと泣き叫ぶ以外は、特に世話が焼けることもなかったので、ゴルダはこのまま面倒を見ててもいいかと思っていた。

「おい、今日はまたセイグリッドまで出掛けるぞ」

「何で?」

「シアがお前と会いたいそうだ」

セイグリッドまで出掛けるとアルガントに言うと、どうしてと聞かれたのでゴルダはシアが会いたいと言っていると答える。
アルガントは特に文句を言うこともなく、そうなんだという顔をして理解したという意で頷いた。


「あら、かわいい子」

セイグリッド城へ行くと、ゴルダはたまたま仕事中の妹のサマカンドラと出会った。
そしてアルガントを見たサマカンドラは、かわいいとストレートに言って来た。
かわいいと言われたアルガントは、サマカンドラに不意打ちで

「ちゅ」

その頬にキスをしたのだ。
サマカンドラはそれにあらあらとしか言わず、ゴルダは何の反応もしなかった。

「かわいい、のかな?」

サマカンドラと別れてシアの所へ向かう途中、アルガントにそんなことを聞かれてゴルダは

「客観的評価がそうならそうなんじゃないか?」

と返事を濁す。
返事を濁されたアルガントは、むっとした顔でこれまた不意打ちで今度はゴルダの腕に噛み付いた。
だが、それなりに鍛えられた腕のせいかアルガントは噛み付くのに失敗。
その後は、少ししょぼくれた顔で後をついて来た。

「連れて来たぞ」

今日のシアは、異界の神話の本を読んでいたがゴルダとアルガントが来たのを確認すると

「いらっしゃい、さあさあこっちに来て」

本に栞を挟んで閉じ、2人に手招きする。
アルガントは、シアの属性が対になる聖属性なのを察しているようで、警戒してその場から動かない。
だが、シアに尻尾で引き寄せられてからは警戒しなくなった。

「ここまで闇と月の力が均衡を保っているのはとても珍しいケースだわ」

一応シアを信用したのか、どこか嬉しそうな顔でもふられているアルガント。
ゴルダはシアの話を思った通りだと言わんばかりの表情で煙草のようなものを吸っている。
そしてシアは、ゴルダの方を向いて一つ気に掛かるような次のことを呟く。

「この子が泣竜なのには違いはない。けど、この泣き声に呪詛が加わったりしたら…考え過ぎよね」

ゴルダがどういうことだと追及するが、シアは黙ったまま答えない。
それどころか、ゴルダを無視してアルガントをまたもふり出した。
このシアの態度を見て、何かがあるとゴルダはにらみ、アルガントについて深く調べる必要があるなと思った。
はたして、アルガントの泣き声に呪詛が入るとどうなるのだろうか?
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テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

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